点子がゆく

映画や自転車や温泉の話をするブログです。

天のしずく③

突然の大雨の中、びしょ濡れになりながら隣町で観た『天のしずく』は観客2人の貸切だった。
20代後半の女性で、この映画館に慣れているようで、もぎりのおばちゃんに声をかけていた。
彼女に映画が終わった後にふと、声をかけてみた。彼女から辰巳さんのスープの講習は申し込んだが、数年待ちだと聞いた。もう90才の辰巳さん、いえ、まだ90才と言うべきか。お元気でずっと講習を続けて欲しいです。
さて、彼女とは映画の話、親の介護のこと、食べ物のことと話が尽きず、シャッターが降り店じまいする映画館の前で話し込んだ。
彼女の年齢は尋ねなかった。
好きなことしたいが、そろそろ落ち着かないといけないとのこと。
いつもしたいことをし続けている点子曰く
「したいことしたほうが自分らしいよ。
法律的に他人に迷惑かけなければ、好きなように生きたら。」
またどこかであって話したいなぁー。
そんな女性でした。
縁があったら再会できるであろうから、あえて名前を聞いたり、メール交換をしなかった。
一期一会です。

映画は、命のスープの辰巳芳子さんのドキュメンタリー映画だった。
辰巳さんは戦時中に結婚をしていたことを知った。相手が徴兵に行くようになり、父親が結婚を断りに行き、断られて相手が涙を流したということを聞き、そんな思いで戦場にやるなんて、かなしいと結婚されたそうです。なんと潔い方なんだろう。
昨年亡くなった父と同じ年の辰巳さん。
彼女の夫は南の島の戦場に行って還らぬ人となった。
徴兵で父は大陸に渡ったが、戦う間も無く敗戦を迎え、シベリアに抑留された。
ずいぶん経ってからご主人の亡くなった島に行かれ
「わたくしは幸せでした」
と、言われたそうです。
ほんの3週間だけの結婚だったとのこと。