点子がゆく

映画や自転車や温泉の話をするブログです。

ひとり旅のすすめ⑤

しまなみ街道縦走での出会いのことです。
ひとり旅は気楽だが、なんでもひとり(当たり前)。
だから、道に迷っても自分で解決しなければいけないし、しんどい思いをしても慰めてくれるひともいない。
瀬戸内海の穏やかな海やぽつぽつとある小船の景色を見ても、分かち合う誰かがいたらなんておもうこともあった。
でも、偶然の出会いもある。
尾道から今治へ向かう最後の橋の上でのことであった。ゴールのリミット、5時に近づいた頃、最後から二番目のチェックポイントでスタンプを押してもらった。
スタッフが今から橋を渡る人がいることをゴールのスタッフに連絡していた。
「頑張ってください」
チェックポイントのスタッフから見送られ来島大橋を渡り出したが、あまりの強風で怖くなった。転倒しそうで、漕げず、自転車をおしたり、風が弱まったら漕いだりし、牛歩のように進んでいると、
「最後の人ですか」
突然後ろから声をかけられた。あれ、ナンパ?           
素朴な感じの学生らしい男の子だった。
私と彼がポイントの最後の人らしいことを教えてくれた。
来島大橋は橋が高く、おまけに自転車道の欄干の下はすぐ海。あまりの強風、転倒が怖い。
彼と慎重にでも急いで渡った。橋のたもとに着いたときはか、ホットした。命拾いした。
長いスロープを下り、無事に最後のポイントでスタンプをもらったときの喜びは言葉に表せない達成感。
完走賞と愛車とともに写真におさめたてもらったときの満足感は天下を取ったような気分だった。
辛い難所を一緒にくぐり抜けた戦友として、二三、言葉をかけた。
長崎出身の京都の学生。帰省先から18切符でしまなみ街道、四国経由で京都に戻る途中。
今治の安い宿を聞かれた。点子も今夜な宿の宿を決めてないから一緒にゴールのサイクルターミナルの宿を尋ねた。相部屋で3000円以上した。二人とも予算オーバーだった。そこで、昨夜のゲストハウスで知り合った女子大生から教えてもらったネットカフェの電話番号を教えた。
北海道も自転車で回ったツワモノで、野宿したりとひとりで貧乏旅行を楽しんでいるような感じだった。
年が近かったらもっと仲良くなれそう。
一緒につるむのが面倒臭から
「ここでね、バイバイ」
と、わかれた。
明け方のネットカフェで彼を見かけた。
始発の電車にも彼はいた。
二両編成位の普通電車、おまけに始発。輪行袋を持っている人はそういない。
目立つ。
話しかけると、金比羅さんにお参りして京都に戻るとのこと。
点子の今日は、山中の山内うどんからスタートして、自転車で讃岐うどん巡りの予定。乗り換えして、彼が金比羅さんで下車するまで、一緒の空間ですごした。初ライドで出会った人だった。