点子がゆく

映画や自転車や温泉の話をするブログです。

親の家を片付ける

入院した親の家を片付ける友だちの手伝いをした。
1DKの中に物が溢れ、床は移動する経路しか空間が空いてなかった。
和室の3分の1を占める洋服タンスはパイプに隙間なくハンガーが掛けられ、洋服でギュウギュウ詰めになっていた。
棚にはハンドバッグがいくつもあり、落ちている物もあった。年代もののがま口のような金具のバッグや中がカビだらけのバッグたち。処分しても残ったバッグが段ボール箱いっぱいになった。
部屋隙間には衣装袋やケースに入れられた衣類が高く積み上げられていた。
冷蔵庫の中は物が目一杯入れられ、冷凍している物が腐っていた。
冷蔵庫のどの棚板に汚れがこびりつき、開けると腐敗臭がしていた。


ものには思い出が詰まっていた。
当人にとって、元気に過ごしていた頃の思い出。
まさか自分が歩けなくなり、これらの服やバッグを使うことがなくなるなんておもいもよらなかったであろう。
使わなくても、古くなっても、時代遅れになっても、カビが生えても、
あの輝いていた頃の証人としてご本人のそばにいたんだなぁ。
ちゃんと布団を敷くスペースもないくらい溢れるもののは彼女の一部のように存在していた。



一週間かけてようやく床がみえてきた。
洋服タンスも業者に頼み、解体して運び出されスッキリした。
うちに帰り家の片付けをしてのはいつまでもない。