あん
あんこが大好き。
潔い題名「あん」に惹かれて観ました。
別府の映画館ブルーバード。本日は3名いらっしゃいました。
どら焼きの餡子を作るのに、樹木希林さん扮する徳江さんは、小豆に話しかけるようにして炊いていく。
点子が圧力鍋か、博士鍋でパパッとして作る。
徳江さんの作り方を見ていると、なんでこんなにワタシは急いでいるのか?
そう思った。
小豆を愛おしみながら、丁寧に煮ている。
それはまるで、自由を縛られ、人としての喜びや幸せを奪われた徳江さんがたどり着いた行き方のように。
女子高生のたわいのないような(彼女たちにはたわいないわけではないだろうが)悩みや愚痴に、
自由っていいものだよ、もっと謳歌してみてもいいよ
と、ワタシに徳江さんは教えてくれる。
当たり前に思ったいた、手に入るものは実は凄く貴重なんだ。
料理は食べる相手がいるからこそ生きてくる。
素材と相談しながら料理する。
日々の料理をていねいに大切に作っていきたいなあ。
徳江さんが働いたことをちょっぴりうらやましそうに市原悦子さんが話す。
時給が半額の300円でもいい、200円でもいい。
お金じゃないんだ、外の世界で普通の人に触れて、自由に働きたかったんだ。
この世を見るため、聞くために生まれてきた。
何かになれなくても、生きる意味はある。
そう徳江さんが店長への手紙にしたためていた。
徳江さんにそう言ってもらうと、
何かになし得ようと頑張る自分の力が抜けてきた。
この世を見、聞きするだけで十分なんだよ。
顔がでかくて、美人でないけどお父さんのモッくんに目元がよく似ている内田伽羅さんの堂々とした演技。
徳江さんのどら焼き、たべてみたくなりました。