点子がゆく

映画や自転車や温泉の話をするブログです。

ふたりの桃源郷

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平日の午前での上映。

映画館には初老の特に女性がたくさん。

 

山口の山奥に暮らす寅夫さんとフサエさん夫婦。

 

夫婦と夫婦を支える家族のドキュメンタリー。

 

しっかりした意志を持ち、家族をリードしてきた寅夫さんと

 

「お父さんがなんでもしてくれた。わたしゃなんもしきらん」というフサエさん

 

寅夫さんを頼りにしきったフサエさん

こんなにも夫を頼りにして生きていけるフサエさんが羨ましい。

 

フサエさんみたいに信じきれるなんて。

寅夫さんもフサエさんが可愛いであろう。

老妻の髪をとかしたり、切ったりしてくれる夫。

これって信頼関係がないとできないこと。

 

寅夫さんたちは

「自分たちの食べるものくらい自分たちで作る」

と、食べるために畑を耕す。

 

年金を受け取るのも2人一緒。

2人で月に7万円。

年金を下ろしたらコメを買う。

後は自給で賄う。

 

 

夫婦の信頼関係

自分たちの食べるものくらい自分たちで作る

 

この二つのことは

とても当たり前なんだか、

いまの私たち忘れていたこと。

 

人が生きるってこういうことなんだ。

 

人が夫婦になるってこういうことなんだ。

 

忘れていたことだけど、大切な基本のキを思い出してくれた映画。

 

 

夫婦の絆がしっかりと結びついている家庭で育った三姉妹は親思いで、

特に三女夫婦は夫がいい。

自分の親を看られなかったから、と

妻の両親を看る。

 

 

寅夫さんとフサエさんにとっての山は

家族の原点。

 

戦時、戦後   食べるものに不自由した暮らしの中、

自分たちの食べる分くらい自分で作ろうと    山に来た。

 

自分たちで人に負けないくらい広くを切り開いた自負がある。

 でも、

娘たちを育てるために、山を出て大阪で移住した。

タクシーの運転手になった。

 

還暦を過ぎ、余生を山で暮らしたいと、ガスも電気も水道もない山に戻る。

 

自分たちの食べるものは自分たちで作る。

 

本来の人間らしい生き方ができる

二人は

ある意味      羨ましい。

 

3姉妹が訪ねてきて、去る時

最敬礼して見送る

寅男さんの姿に思わず涙してしまった。

 

いくつになっても親は親、子は子。

なのに、

訪れてくれた子どもたちに礼を尽くす。

 

子どもに依存せずに生きようとする姿。

子どもに迷惑をかけまいとする親こころ。

 

親はいくつになっても子を思う親である。

 

自分の親と重なって見えた。

 

10月に再演するので、

是非母と観に行きたい。