こころに剣士を
エストニアが舞台の映画である。
監督はフィンランドの人。
フィンランドのツアーで必ずと言っていいほど出てくるのは、エストニアのリアドへフェリーで日帰りオプション。
言葉が喋りすぎない映画。
主人公エンデルと女教師との恋する場面がそうだ。
なんとも美しい 恋する二人。
映像だけで、二人の心の距離の縮み具合を表している。
おじいちゃんとヤーンとの別れの場面では、
繋いだ手と手
連行される車に乗る前に、振り向いて、もう一度孫のヤーンを見る眼差し。
フェンシングを教えるきっかけを与えてくれたマルタ。
ちっちゃなマルタだが、家に帰ればまだまだ幼い姉妹がいる。
彼女たちの世話をするマルタ。
校長も歴史に翻弄されて良心を失っていた。
マルタが試合で勝った時に、三つ編みメガネの妹が
「さすが、お姉ちゃん」
と 尊敬の眼差しで姉を見た。
大国に翻弄されるエストニアのようなマルタ。
フェンシング🤺の基礎、相手との距離感で一度は引いていたマルタが前進する。
試合のために列車でレニングラードに行く子供達。
地図で見るとずいぶんの距離。
車窓から見る大都市レニングラードをみるマルタのまん丸お目めの愛らしいこと。
こんな子どもたちの瞳のためにエンデルは危険を犯してもレニングラードの試合に行く。
恋人とは永遠の別れになるかもしれないレニングラードへの旅立ち。
多くの子どもたちは時代に翻弄されて父親を亡くしているらしい。
彼らの父親のようなエンデル。
時が経ち、最初のシーンのように列車から降りる人。
父親の帰還のように、子どもたちが出迎える。
セリフは少ないが
映像が全てを描いてくれた作品。