点子がゆく

映画や自転車や温泉の話をするブログです。

話す犬を、放す

f:id:tenkochaniine:20170416205344j:imageこれを認知症の映画とは言いたくない。

 

主役のひとり暮らしの母親がレビー小体型認知症なんだけど、

 

母親とのことだけでなく、

 

芝居一筋で婚期に乗り遅れた娘や幼子を

 

育てながら映画を作ろうとする女の監督

 

や主婦として家族のために生きてきた認

 

知症になった母親などの女の生き様の映

 

画だと思う。

 

 

認知症であることは、個性であって、

 

マーカーで大事なところに線を引くみた

 

 

いに、あえて取り立ててクローズアップ

 

 

することでない。

 

 

認知症である前に、1人の人間なんだか

 

ら、

 

認知症認知症

 

と、叫ばなくていい。

 

 

その母親に振り回される主人公がいる

 

が、認知症であろうがなかろうが、

 

 

母と娘の話である。

 

 

この映画を認知症の母親と一緒に映画を

 

観に行こうと誘ったら、墓参りに行くの

 

で断られた。

 

母が自発的に決めて、行動していること

 

に幸せを感じる。

 

親からは与えられるばかりである。

 

 

自分が親になって初めて、今まで親が与

 

 

えてくれた無償の愛に気づいた。

 

親が老いることで、できなくなったこと

 

が増え、なにかと、手助けしないといけ

 

なくなった。

 

終盤で、母親と犬を放した場所に行き

 

 

結婚せずに、子どもを持たない人生を

 

歩み、母親が教えてくれた諸々のことを

 

伝承出来ないことに済まながる主人公は

 

 

よくできた娘だ。そんな風に済まながら

 

ない私がいる。

 

 

ちょっと気になる三田役の眞島秀和や田

 

島令子が、出てたのが嬉しい。

 

 

上映後に熊谷まどか監督のトークショウ

 

が  あった。