握った母の手
都会に用事があり、相棒と母の3人ででかけた。
帰りの路、
ついでに
大型のショッピングモールに行った。
ナビを片手に行くと、遠くからモールに向かう人の波
日曜日の午後で駐車場は満杯
相棒、私、母
と 歩く速さで 列になる。
母が迷子にならないか、何度も振り返る。
それならと腕を組む。
腕を組むと体がひっつき過ぎ転びそうにつまづいた母
年寄りが転ぶと骨を折る
一緒に転ぶと大変と
手を繋いだ
手を繋ぐのは、なんだか気恥ずかしい
繋いだ私の手に、必死に力を込めて
母は握った
迷子にな、ないように
置いていかれないように
母は私の手を ずっと強く握る
幼い頃に きっと私が母の手を握った
ように
守られる側から守る側に
いつの間にか逆転していた。
店に着くまで
ずっと、ずっと
母は私の手を強く握りしめていた。